アカネドリ

蒼から茜に変わりゆく 空と雲
目が覚めるほどのグラデーションは 一瞬の美しさだ

そんな空と 大きな太陽の間を 一羽の鳥が
悠然と飛んでいく
まるで この空は自分のものだと言うように
胸を張っているような姿で

そして、
鳥は その姿から想像できないような
美しいさえずり声で 歌声を響かせる
「茜の空は、私が魅せたものだ」と

白黒の鳥は
まるで 空に溶け込むかのように
その姿を 茜色に変えていった
一瞬の 魔法のような出来事

茜の鳥が飛んでいくのを
僕はずっと 小さく消えるまで 見守っていた
「ありがとう、そして行かないで」と
消えそうな声で 呟きながら






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